博物ふぇすで、きのこロボットとさんこめを展示しました
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博物ふぇすてぃばる!12(2026年7月20日)で、きのこのロボットと「さんこめ」を展示しました。
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展示のテーマは、「生きているように見えるモノを作るには」です。
さんこめは「謎の生き物」がテーマです。目を動かしたり、揺らすと反応したり、放っておくと眠ったりすることで、生き物のように見えるようにしています。
こういう生命感というか、躍動感のようなものは、一体どうやって作れば良いのだろう、と以前から気になっていました。せっかく博物ふぇすに出るので、この機会に一度ちゃんと調べてみることにしました。
きのこロボットについて

今回新しく作ったのが、この「きのこロボット」です。
さんこめには目が3つもあるので、目の表情やアニメーションでかなり生き物っぽくできます。一方、きのこには目も口もありません。顔がないものでも、動きだけで感情のようなものが伝わるのか、やってみようと思いました。
中には ESP32-S3 と、2つのサーボモーターが入っています。首を左右に振る動きと、上下に傾ける動きを組み合わせて、普段は呼吸するようにゆっくり揺れます。ときどき、何かに気づいたように周りを見ます。
横から伸びている葉っぱのようなものは触覚です。葉っぱに触れると、チルトセンサーが反応して、触られた方向へ振り向きます。
きのこにも声を出させるつもりでした。さんこめと同様に「機械語」を話す仕組みも作っていました。
ただ、実際に動かしてみると、そもそも、きのこが急に喋り出すのは変だなと思いました。そこで、きのこでは声を使わず、うなずく、驚く、周りを見る、といった動きだけで感情を表すことにしました。
機械語の仕組みは、もともとさんこめと共有する予定だったので、さんこめのほうにはそのまま入れています。
Ohacoでパン・チルトを作る
きのこの外装と、首を上下左右に動かすパン・チルト機構は、開発中の3Dビルダー Ohaco で設計しました。
当時の Ohaco の画面は、こんな感じです。

この機構を作るだけなら、普通にCADで設計すれば良いのですが、今回はせっかくだから Ohaco で作ることにしました。
Ohaco はまだ開発中で、当時はパン・チルトのような2軸のサーボ機構を作る機能がありませんでした。なので、まずはその機能の開発から始めることになりました。
思った以上に、2軸のサーボを入れるホルダー部分の開発が難航し、何度も試行錯誤しました。結果として、きのこ本体の制作よりも、こちらのソフトウェア開発の方が時間がかかってしまいました。
電子回路の作成

以前さんこめを開発した際は、いきなりプリント基板を作ったのですが、今回はむしろ回路が見えていた方が、電子工作らしくて面白い気もしました。そこで、ユニバーサル基板にはんだ付けして回路を作ることにしました。
ユニバーサル基板を使うのは初めてだったのですが、正直、何度もミスってしまいました。やっぱりはんだ付けは向いていないな……と思いながら作っていました。
思っていたよりずっと時間がかかりましたが、ESP32-S3、2つのサーボ、触覚センサーを一枚にまとめることができました。正直、当日に急に動かなくならないか心配でしたが、会場でも最後まで安定して動いてくれたのでよかったです。
さんこめも一緒に展示

きのこの隣には、これまで作ってきた「さんこめ」も置きました。目が3つある、謎の生き物ロボットです。
さんこめは画面の目で表情を作り、音や振動に反応します。声をかけると喜んだり泣いたり、揺らすとハート目になったり目を回したりします。しばらく放っておくと、だんだん眠くなって最後には眠ってしまいます。
今回は、この声の仕組みをかなり作り直しました。
これまでは、あらかじめ作っておいたMP3を、表情に合わせて再生していました。今回は「ピ」「キュ」「プユ」のような短い音を音素として定義し、それをフレーズとイントネーションで表現することで、特有の言語を作っています。
喜んでいるときは高く速く、眠いときは低くゆっくり。同じ音でも、表情に合わせて抑揚や間の取り方が変わります。展示した個体ごとに微妙に声が違っています。ほとんどわからないくらいの差ではあるのですが。
また今回は、隣の個体が喋ったり何かに反応したりすると、その反応が周りに伝わり、個体同士が少しずつシンクロしていく仕組みも作りました。ホタルの明滅が同期していくようなイメージです。結果的に会場には2台しか置かなかったので、かなりわかりにくい現象になってしまいましたが、一応ちゃんと同期するようになっています。
ほかにも、Ohacoで作ったさんこめ、絵本『つくれなくなったくま』、フィギュアやキーホルダーなどを並べました。
気合を入れて準備しすぎた
博物ふぇすには、今回が初参加でした。
「ガクモンからエンタメ☆」という企画にも参加するので、学術的にかなりしっかりしたものを持っていかないといけない、と勝手に思っていました。
動く図形から生命を感じる研究、アニメーションの原則をロボットに応用する研究、意味のない声で感情を伝える研究など、関連する論文を調べました。そこで得た知見をもとに展示物を実装し、ポスターを作成しました。
とはいえ、普通の方もたくさん来るイベントだとは思っていたので、ポスター自体は、調べた内容をかなり噛み砕いて、妻にイラストも描いてもらって、わかりやすいポスターになるようにしました。
ポスターの見た目は学会っぽくありませんが、準備の進め方は、完全に昔、学生の頃に参加した学会発表の気分でした。

ところが、実際に会場へ行ってみると、このポスターや関連研究で調べた内容、今回実装した細かい手法について、順番に説明するような機会はほとんどありませんでした。そもそも、いわゆるポスター発表のようなノリでは全然なく、みなさん、まずは動いているきのこやさんこめを触って楽しんでいます。
あれ、思っていた雰囲気とちょっと違うぞ、となりました。
博物ふぇすに行ったことがないまま、「学問」という言葉から想像して気合を入れて準備を進めていたので、少しやりすぎてしまったみたいです。
ただ、ESP32に異様に詳しい小学生くらいの子がいたり、めちゃくちゃ鋭い質問をしてくれた人もいました。
全員に向けて説明するものではなかったですが、詳しく聞きたい人が来たときには、準備した内容を話すことができました。なんだかんだ、いろいろ準備しておいてよかったです。
今回は「学問」という起点があったので、先に論文を調べて、その内容をもとに作るという、普段とはかなり違ったアプローチになりました。調べたことを、実際に動くものまで作って試せたのは、なかなか面白かったです。
会場で触ってくださったみなさま、ありがとうございました。
なお、今回は出展日をうっかり間違えて案内してしまう、という失敗もありました。間違った案内を見て予定を調整してくださった方には、ご迷惑をおかけしてすみませんでした。また、急な変更に対応してくださった運営のみなさま、本当にありがとうございました。
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